パーカー

パーカーのファスナーが壊れたときの直し方と交換費用の相場

「ファスナーが噛んでしまった」「ファスナーを閉めたらズレてしまった」など、パーカーのファスナーのトラブルに悩まされた経験はありませんか? また、ファスナーを上手く開け閉めできないとき、自分で直すにはどんな方法があるのでしょうか?

パーカーのファスナーが壊れた場合など、トラブルの対処方法を紹介します。

ファスナーのパーツの名称と構造

”ファスナーの名称” パーカーのファスナーについて、先にパーツの名称や構造を理解しておきましょう。

 ● スライダー:ファスナーを開け閉めするパーツ
 ● エレメント:ファスナー両サイドのギザギザとした凹凸のあるパーツ
 ● テープ:エレメントがついた布地の部分。パーカーなどの洋服の布地とつなぐパーツ
 ● 箱:ファスナーの始点となるパーツ

ファスナーは、スライダーを上げるとエレメントが噛み合い、閉まっていく構造になっています。

【状況別】ファスナーの修理方法

ファスナーのトラブルの状況別に、壊れたときの修理方法など対処策を紹介していきます。

 ● スライダーが生地を噛んでいる
 ● ファスナーが閉まらない
 ● ファスナーがズレる
 ● スライダーが外れている
 ● スライダーが動かない
 ● スライダーの滑りが悪い

スライダーが生地を噛んでいる

ファスナーを閉めるときなどに、スライダーがパーカーの生地を噛んでしまい、動かなくなるのはよくあるトラブルです。無理にファスナーを閉めようとすると、生地が破れたり、スライダーが破損したりすることがあるため注意してください。

まずはスライダーに挟まった生地をファスナーに対して垂直に、ゆっくりと慎重に引っ張ります。生地を引っ張っても外れない場合には、スライダーを動かしながら、生地を引っ張ります。それでも外れない場合には、マイナスドライバーをスライダーの隙間に差し込んで、生地を引っ張り出します。

ただし、プラスチック製のファスナーはマイナスドライバーを差し込むと破損しやすいため注意しましょう。

ファスナーが閉まらない

スライダーを上下させてもエレメントが閉まらない場合には、スライダーやエレメントに問題がある場合が多いです。

 ● スライダーが変形している場合

スライダーは横から見たときに「コの字」になっているのが正常な状態です。歪んで広がっている場合は、ラジオペンチで挟んで直します。

 ● エレメントの凹凸の一部が曲がっている場合

エレメントの凹凸に歪みがある箇所をラジオペンチで整えます。なお、エレメントが破損している場合はファスナーの修理はできず、交換が必要です。

ファスナーがズレる

ファスナーを最後まで閉めたときに、エレメントがズレてしまい、片側が余ってしまうことがあります。ファスナーのエレメントは、本来は左右対称になっていますが、これは片側のエレメントがゆるくなっていて、正常に噛み合っていないことが原因です。

まずは、エレメントが余っている側の生地を引っ張って、エレメントを左右対称の状態にします。そして、エレメントが余っている方のスライダーをラジオペンチで挟んでゆるみを直していきます。この場合も、生地が動かない場合にはスライダーにマイナスドライバーを入れて、慎重に引っ張り出します。

スライダーが外れている

スライダーがエレメントから、片側、あるいは両側が外れてしまうことがあります。

 ●(片側が外れた場合)スライダーに差し込む

片側のエレメントが外れた場合は、スライダーの隙間に差し込みます。上手く差し込めない場合には、ペンチでスライダーを一旦少し広げて、スライダーを差し込んだら軽くラジオペンチで挟んで元の状態に戻します。

 ● スライダーを完全に分離させてから差し込む

一度、ペンチでスライダーを広げて完全にエレメントからスライダーを外します。そして、エレメントを整えてペンチで固定した状態でスライダーに差し込んだ後、ラジオペンチでスライダーを挟んで元の状態に戻します。両側のエレメントが外れてしまった状態でも活用できる方法です。

スライダーが動かない

スライダーが動かないときは、エレメントを噛んでしまっていることが多いです。無理やりスライダーを動かすと壊れてしまうことがあるため注意しましょう。

まずはエレメントを軽く引っ張ります。再度、ファスナーを閉める際には、生地をピンと張った状態にして再び噛んでしまわないようにします。

スライダーの滑りが悪い

新品、あるいは長年使用しているパーカーのファスナーは、スライダーの滑りが悪いことがあります。

そうした場合は、リップクリームやワセリンなどの潤滑剤をエレメントとスライダーに塗って滑りをよくします。見えない部分に少量をつけて生地を傷めないことを確認した後、少量の潤滑剤をエレメントとスライダーにつけて、スライダーを上げ下げすることを繰り返します。その後、洗濯をしてファスナーに潤滑剤が残らないようにしておきます。

ファスナーの修理・交換費用

ファスナーを自分で直したり、交換したりできない場合には、クリーニング店や衣類のお直しの専門店などに依頼することになります。ファスナーを修理できる場合は1,000円程度、壊れた状態を直せず交換する場合は2,000円~3,000円の費用が目安です。

パーカーの購入価格によっては、ファスナーの修理費用や交換費用は高額に感じるのではないでしょうか? 思い入れの強いものでなければ、買い替えることも選択肢となります。

まとめ

ファスナーのトラブルの多くは自分で直すことができますが、長年愛用していると劣化は避けられず、開け閉めがしにくくなっていきます。壊れたファスナーを自分で直せない場合には、専門店に依頼するか、パーカー自体を買い直すことを検討してみましょう。