パッド印刷の特徴とシルクスクリーン印刷との違いを解説

公開日： 2022年06月08日更新日： 2024年08月24日特集記事

シリコンゴム製のパッドをスタンプのように用いてインクを転写する印刷手法である「パッド印刷」。曲面や凹凸面への印刷が可能で、ワンポイントなど小さな面積への印刷に優れていることから、オリジナルグッズの印刷に活用されています。パッド印刷の特徴や用途を、印刷時の注意点とあわせて解説します。

パッド印刷とは

パッド印刷とは、シリコンゴム製のパッドにインクを載せて、スタンプのような要領で印刷対象にインクを押し付けて印刷する手法です。シリコンパッドには弾力があるため、曲面や凹凸面にもプリントが可能な点が大きな特徴になります。イングが流し込まれたプレートにシリコンパッドを押し付け、インクを転写（一次転写）します。

”パッド印刷とは1”

印刷する素材にシリコンパッドを押し付け、インクを転写（二次転写）します。

”パッド印刷とは2”

曲面や凹凸面にも名入れが可能である点や、比較的細かいデザインも再現できる特性から、パッド印刷は曲面へのロゴ印刷、名入れ印刷が可能な面が小さいボールペンへの印刷などに使われています。なお、「タンポ印刷」「たこ印刷」と呼ばれることもあります。

パッド印刷とシルクスクリーン印刷の違い

パッド印刷の活用範囲や印刷の仕上がりにはどのような特徴があるのでしょうか？　Tシャツへのロゴ印刷などに広く利用されている、シルクスクリーンを版材に用いた印刷方法「シルク印刷」との違いから見ていきます。

	パッド印刷	シルク印刷
曲面への印刷	印刷可能：サイズや形状によっては半周近くの広範囲までへと、あらゆる曲面に印刷できます	一部印刷可能：円筒などの均一形状の曲面のみに対応します
凹凸面への印刷	印刷可能：階段状になった凹凸面への印刷にも対応します	印刷不可能：凹凸面の最上部（もっとも高い面）にのみ印刷できます
印刷データのサイズ	ワンポイントなど比較的小さいサイズへの印刷に向いています	大きいサイズの印刷にも問題なく対応します

パッド印刷の特徴

パッド印刷の特徴を、メリットとデメリットの両面からさらに深掘りしていきます。

曲面や凹凸面にも印刷できる
印刷範囲はワンポイントに特化
小さな文字や細かいデザインの再現性が高い

曲面や凹凸面にも印刷できる

曲面や凹凸面への印刷は、パッド印刷の得意分野です。あらゆる曲面に印刷が可能で、円周に対して1/4程度の範囲への印刷には一般的に対応。サイズや形状によっては半周近くの広範囲までカバーします。階段状になった凹凸面にもシリコンパッドを押し付けて印刷できるため、名入れ対象の形状を選びません。

印刷範囲はワンポイントに特化

シリコンパッドのサイズ・形状から、パッド印刷は大きな印刷面への転写には適しません。また、印刷範囲・図柄が大きくなるほど塗りムラが出やすくなります。企業のロゴやメッセージの名入れなど、ワンポイントの印刷に特化した印刷方法と位置付けられます。

小さな文字や細かいデザインの再現性が高い

ワンポイントの印刷に優れたパッド印刷は、ボールペンへの名入れなど小さい文字の印刷にも対応しています。しかし注意点として、画数が多い漢字などの印刷になると文字を識別できないこともあります。また、幅が0.1mmを下回るような細かい線などは、つぶれたり消えてしまったりといったこともあります。そのため、サンプル印刷による確認を経て正式発注すると安心です。

パッド印刷の価格

パッド印刷は、一次転写に利用するイングが流し込まれたプレート（版）を一度制作すれば、それ以降はスタンプを押す要領で繰り返し印刷（二次転写）できるため、印刷数が多くなるほどに単価あたりのコストメリットが高まります。ラクスルで取り扱っている名入れボールペン（ジェットストリーム）の価格を注文単位別に、インクジェット印刷（フルカラー印刷）と比較してみましょう。

	パッド印刷（単色印刷）	インクジェット印刷（フルカラー印刷）
100本	24,926円	27,500円
200本	39,270円	42,086円
300本	53,108円	62,645円
500本	80,025円	96,250円
1000本	141,240円	174,680円

単色印刷/フルカラー印刷の違いはありますが、パッド印刷に価格優位性が見られます。曲面や凹凸面に企業ロゴを単色で印刷する場合は、パッド印刷がおすすめです。また、1本あたりの単価を見てみると、100本発注の場合は1本あたり約249円、1000本発注の場合は1本あたり約141円と、発注数が増えるごとにお得になります。