Tシャツ

2色刷りTシャツの作り方とデザイン例

オリジナルTシャツ作成に使える2色刷りの特徴

2色刷りとは、シルクスクリーン印刷で2つの色を使って印刷する方法を指します。シルクスクリーン印刷とは、メッシュ状の版に穴をあけ、穴の部分にインクを落として印刷する方法です。一般的なシルクスクリーン印刷では1色につき版を1枚使うため、2色刷りでは版を2枚使って2色のデザインを印刷します。

なお、複数の色を使ってデザインを印刷する方法では、インクジェット印刷が一般的です。2色刷りとインクジェット印刷を比較すると、使える色の種類や数、プリント部分の耐久性、費用などに違いがあります。

2色刷りとインクジェット印刷の比較

  2色刷り インクジェット印刷
Tシャツ1枚に印刷できる色の数 2色 複数の色
蛍光色、金、銀などの色への対応可否 ×
プリント部分の耐久性
作成費用(業者に依頼する場合)

作成枚数が少ない:×

作成枚数が多い:◯

作成枚数が少ない:◯

作成枚数が多い:△

シルクスクリーン印刷の2色刷りでは、インクジェット印刷では使用できない蛍光色や金、銀、箔入り、ラメ入りの色も使用できます。また、インクジェット印刷でも十分な耐久性を備えたデザインをプリントできますが、2色刷りのデザインはさらに高い耐久性を備えているのも特徴です。

業者に依頼する場合の作成費用は、版を作る費用が加算されるため、作成枚数が少ない場合は2色刷りのほうが高くなります。一方、作成枚数が増えても版を使いまわせるため、作成枚数が多い場合はインクジェット印刷よりも費用を抑えられるでしょう。

 

2色刷りオリジナルTシャツの作り方

2色刷りのオリジナルTシャツには、主に3つの作り方があります。

● 版作りから印刷まですべてを自分で行う
● 専用キットを購入して印刷のみ自分で行う
● 印刷業者に版作りから印刷まですべてを依頼する

版作りから印刷まですべてを自分で行う

2色刷りのオリジナルTシャツは、自分で作ることもできます。2色刷りに必要なものや、2色刷りの方法をチェックして、作り方を確認しておきましょう。

2色刷りオリジナルTシャツを作るのに必要なもの

自分で2色刷りのオリジナルTシャツを作る場合、印刷に使うモノを揃えましょう。比較的身の回りにあるものを活用でき、100円ショップで入手できるものも多いです。

まず、デザインをプリントするTシャツと、印刷したいデザインをプリントした紙を用意してください。版はリメイクシート、版を入れるフレームはフォトフレームで代用できます。2色刷りでは、印刷したいデザインをプリントした紙と版は2つずつ必要です。

フレームに固定するシルクスクリーン用のメッシュとインク、インクを広げるためのヘラ(スキージー)も用意しましょう。工具は、フレームにメッシュを固定するためのタッカーと、版をデザインの形に切り抜くカッターが必要です。その他に、Tシャツの裏へのインクの付着を防ぐための台紙もあると便利で、厚紙や段ボールでも代用できます。

2色刷りオリジナルTシャツ作成のために準備するモノ

  • フレーム(フォトフレームでも可)
  • 版×2枚(リメイクシートでも可)
  • 印刷したいデザインをプリントした紙(2種類)
  • シルクスクリーン用のメッシュ
  • タッカー
  • カッター
  • シルクスクリーン用インク
  • ヘラ(スキージー)
  • 台紙(厚紙や段ボールでも可)
  • デザインをプリントするTシャツ

失敗してもやり直せるように、リメイクシートやメッシュは多めに購入しておくのもおすすめです。また、版はリメイクシートをカッターで切り抜いて作成する他にも、紫外線を当てると穴が埋まる専用メッシュを使う方法もあります。

2色刷りオリジナルTシャツの作成方法

2色刷りをするのに必要なものが揃ったら、プリントを進めていきます。2色刷りのポイントは、版を作成するときにデザインをなるべくシンプルにすることと、印刷位置を合わせるための目印を付けておくことです。

まず、リメイクシートに印刷したいデザインをプリントした紙を重ねて、ずれないように固定します。固定できたら、カッターを使って印刷したいデザインの形にリメイクシートを切り抜きましょう。版はデザインの形にカッターで切り抜くため、なるべくシンプルなデザインがおすすめです。また、デザインによっては2色目の印刷を1色目の印刷位置に合わせる必要があるため、フレームにリメイクシートを固定する位置と、Tシャツにフレームを固定する位置に印をつけておきましょう。

次に、タッカーを使ってメッシュをフレームに固定してください。メッシュが弛んでいるときれいに印刷できないため、ピンと張った状態になるようしっかり伸ばしましょう。

メッシュが固定できたら、その上にリメイクシートを貼り付けます。メッシュとリメイクシートの間に隙間があるときれいに印刷できないため、シワができないように慎重に作業してください。

続いて、デザインを印刷するTシャツの間に台紙を挟み、プリントしたい場所にデザインがくるようにTシャツの上にフレームを置きましょう。フレームが置けたら、メッシュの上にインクをのせてヘラで広げてください。

デザインがTシャツに印刷できたことを確認したら、インクの取扱説明を参考にしっかり乾かします。インクが乾いたら同じ手順で2色目の版を作って印刷しましょう。

2色刷りのオリジナルTシャツ作成手順

  1. 1. リメイクシートに印刷したいデザインをプリントした紙を被せる
  2. 2. カッターでデザインの形にリメイクシートを切り抜く
  3. 3. タッカーを使ってメッシュをフレームにしっかり固定する
  4. 4. メッシュにリメイクシートを隙間ができないように貼り付ける
  5. 5. Tシャツに台紙を挟む
  6. 6. 4をTシャツの上にのせて、インクをメッシュの上にのせる
  7. 7. ヘラでインクを広げる
  8. 8. インクを乾かす(インクの取扱説明を参照)

    2色目も1〜7の手順を繰り返す

印刷したTシャツはしっかり乾燥させて色を定着させてください。作成したTシャツの洗濯方法については、使用したインクやTシャツの取扱表示に従いましょう。

 

専用キットを購入して印刷のみ自分で行う

Tシャツへの2色刷りデザインの印刷には、手軽にシルクスクリーン印刷ができる専用キットも便利です。道具を個別に揃える必要がなく版作りを依頼できるので作業時間を短縮できます。作成手順はキットによって異なりますが、デザインの作成、入稿、キットの受け取り、印刷の手順が一般的です。 ただし、専用キットで2色刷りのオリジナルTシャツを作成する場合は、版を2枚使うためキットを2つ購入する必要があります。その分費用がかかる点には注意してください。

 

印刷業者に版作りから印刷まですべて依頼する

2色刷りオリジナルTシャツの商品を取り扱っている印刷業者に依頼する方法もあります。自分で版を作ったり印刷したりする手間がかからないため、時間がない人にもおすすめです。作成手順は、Tシャツの選択、デザインの作成、入稿、注文の流れが一般的です。 なお、シルクスクリーンプリントにこだわりがなければ、フルカラー印刷でオリジナルTシャツが作れる業者を利用するのもよいでしょう。3色以上のデザインにも対応でき、取り扱っている業者も多いのが利点です。

 

2色刷りオリジナルTシャツのデザインのコツ

2色刷りのオリジナルTシャツのデザインのコツは色の配色にこだわることです。似た色を選んで統一感を出したり、補色を使うことでメリハリをつけたりできます。

  • 赤とピンクのように似た色で統一感が出る類似色相配色にする
  • 黄色と紫のように異なる色でコントラストがはっきりする補色色相配色にしてメリハリをつける

 

文字を使った2色刷りオリジナルTシャツのデザイン例

企業名やブランドロゴ、イベント日時などのプリントにおいて、特定の文字や文章だけの色を変えたり、文字のフチを文字とは別の色にしたりしたいときに2色刷りが便利です。1色のデザインよりも色を変えた部分を強調できます。

  • 「I ♥(Love) 〇〇」の♥のみを赤やピンクにする
  • 黄色のTシャツにスローガンを赤、学校名を白で印刷する
  • 黄色のチーム名を紫色で縁取りする(補色色相配色)
  • 黒のTシャツにシルバーのアーティストロゴと白のコンサート名を印刷する

イラストを使った2色刷りオリジナルTシャツのデザイン例

食べ物、植物、生き物などのイラストや、キャラクターイラストなどのプリントにも2色刷りが使えます。シンプルなアイコンのようなものでも、一部の色を変えて強調するだけで、おしゃれなデザインにアレンジできるでしょう。

  • りんごを持った人のイラストでりんごだけを赤で印刷する
  • 同じアイコンを並べ、1つだけ色を変える
  • 白抜きのキャラクターイラストの髪だけに色をつける