プリントTシャツのルーツから普及までの歴史
オリジナルで作られることも多いプリントTシャツは、ファッションアイテムであり、個のアイデンティを表現できる媒体でもあります。プリントTシャツの歴史を知っておくと、より思い入れのあるTシャツを作れるのではないでしょうか?この記事ではプリントTシャツの簡単な歴史をご紹介します。
プリントTシャツの歴史
Tシャツのルーツは下着だった
Tシャツのルーツは、ヨーロッパの19世紀の下着に遡ります。当時、フランスやイギリスでの男性用の下着は、上下が分離された形態でした。この下着が、のちにアメリカに渡り、Tシャツの原型となったと言われています。(諸説あります)
第1次世界大戦中に、アメリカ海軍兵の下着として採用されたことが、一般市民にTシャツが広まるきっかけだといわれています。Tシャツは軽く乾きやすいことから、兵士はウールの重い制服で行っていた業務をTシャツで行うようになりました。戦争が終わってからも退役兵士はTシャツを愛用し、戦時のヒーローだった彼らのスタイルは注目されました。
当時のTシャツはまだまだインナーとしての位置付けで無地が多かったものの、1940年頃のアメリカ陸軍では、軍での階級を表すエンブレム、所属の基地名などをプリントしたプリントTシャツも作られました。
第2次世界大戦後の1950年半ばには、学生や労働者がTシャツをアウターとして着るようになり、Tシャツはジーンズとともにブームになりました。ジェームスディーンのようなスターが映画でTシャツとジーンズを着用し、Tシャツとジーンズは既存の価値観に抵抗して新しい挑戦をする若者の象徴となりました。
印刷技術の発達とともにアイデンティティを表せるアイテムに
1960年代になるとシルクスクリーンプリントの技術の発達とともにプリントTシャツが多くなり、Tシャツはファッションアイテム以外にも役割を持つようになりました。
企業ロゴをプリントしたTシャツが広告塔として使われ、コミュニケーションツールとしての役割も果たすようになります。
また、個性的なデザインをプリントしたTシャツは、当時アメリカで台頭していたヒッピーやポップアート、パンク、ロックなど、多様なカウンターカルチャーのシンボルとして受け入れられ、個のアイデンティティを主張するアイテムとしての役割も持つようになりました。
1998年には個人のコンピューターでTシャツをデザインできるキットが注目され、現在ではオンラインでオリジナルTシャツを簡単に作れるサービスも普及し、Tシャツは個人のアイデンティティを表現するアイテムとしての性格を一層強めています。